べっぴんさん進むべき道がある幸せ
とうとう、君枝さんの旦那さんも戦地から戻ってきた。
テーブルクロス作りをこれから頑張ろうとしていた矢先、旦那さんの帰還によって、君枝さんもやめるのだろう。
友達の幸せを喜ぶ反面、複雑な心境のスミレだろうなあ。
紀夫さん、どうしてるんだろう。
粗悪な品物を売って、その場しのぎのような商売をしている潔(高良健吾)に向かって、父の五十八(生瀬勝久)が話す。
潔「うちの商品が気に食わんのも当然や思います。こんなもんは坂東営業 部の商売やない、いう思いは、わしもゆりも持ってます。」
五十八「そやな。その場しのぎの連続や。いや、その場がしのげたらまだマシか、いつ終わってもおかしない。」
潔「せやけど、他に方法は無い、思います。」
五十八「そやろか。」
潔「この状況のなか、おとうさんならどないするんですか。」
五十八「わしやったら、保証をつける。」
潔「えっ・・」
五十八「これはええもんやと、ほんまに自分で言えるもんしか売らん。そして信用を得る。
焦るな。
それが、商売の、いや、人生の基本や!」
私も普段から焦っている。早く結果が出したくて、見たくて、焦ってばっかり。そしてどれも長続きしない・・・「急がば回れ」か。
生瀬さんは、目で演技をする役者だねえ、目が物を言う。
目を見れば何を思っているか、何が言いたいのかが分かる、そんな目をしている。
それでも、みな、前を向いて歩いていくしかないのです。
スミレも、この先一人になろうと、前に進んでいこうとしているのです。
最後の菅野美穂母さんの語りがいい。
『いろいろあっても前に進まなければ、何も始まりません。その進むべき道があること自体が、幸せなのです。』
進むべき道がある、先がある。
希望がある。
人は希望がないと、生きられないのかもしれません。