すべてが自分にちょうどいい

メンタルが弱いので家にいてテレビばっかり。こんなんでいいのかと思いながら今日もダラダラ。お金も大事、仕事も大事、だけど、自分が楽しいことが一番。あと掃除とか関ジャニとか京都とか。

そして父になる、ジワジワきます

映画の感想、ネタバレあります。

 

 

 


そして父になる』は、2013年制作の日本映画。是枝裕和監督。主演の福山雅治が初の父親役を演じた。

第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、2013年5月18日夜(日本時間5月19日未明)に公式上映された。上映後、約10分間のスタンディングオベーションが起こり、是枝監督や福山らは感極まって涙を流した。2013年5月25日(日本時間26日未明)、第66回カンヌ国際映画祭 審査員賞を受賞した。

 

 

 

前評判が高かったし、カンヌ審査員賞ですからね、観る前からかなり期待大でした。旦那が帰って来たときに一緒に観ようと録画したまま、ようやく観られました。

 

 

私は、是枝作品はどれも観ていない。確か、柳楽優弥主演の『誰も知らない』もだよね。
海外で受けるタイプの作品かな。

 

 

物語は、福山雅治演じる野々宮良多とその妻、みどり(尾野真千子)の子供、慶多が、小学校受験の面接のシーンから始まる。
仕立てのいいスーツにエリートを思わせる福山父、育ちのいい息子。タワーマンションに住み、従順な専業主婦の妻、申し分の無い幸せな裕福な家庭。


受験も合格し、これからという時に、慶多を産んだ病院から電話が入る。
子供の取り違え、という絶対あってはならないことが起きたのだ。


ここから、良多が本当の父になっていく、のか?物語が始まる。

 

 

物語は淡々と進む。
まるでドキュメンタリーを見ているように、物事が起きた順に、淡々と。


だから、妙にリアルだったのかも。感情移入しやすかった。

 


6年間大事に育てた息子が、いきなり赤の他人だったと言われても、そして、初めて会う子供が、本当の息子だと言われても、どうしたらいいか分からない。


実の息子と心を通わそうとするも上手くいかず、慶多への思いが残り(当たり前だ)子供を交換することに躊躇しだす良多に対して、
「血の繋がりが大事だ」と、良多の父は言う。これから先どんどん息子(慶多)は相手の父親に似てくる、と。

 


またこの相手の家族がいい味出してるの。父役がリリーフランキー(役名・斎木雄大)なんだけど、しがない電気屋の親父さん役がぴったり。妻(真木よう子)はお弁当屋にパートに出ている。取り違えた息子(琉晴)の下に弟妹が2人いて大家族。良多家族とは、環境が全く違っている。子育ての方針も違う。

 


リリーフランキーは、自営で家にいることから、子供たちの面倒もよくみて、お風呂も一緒に入るし一緒に寝る。


良多は、忙しいサラリーマンである、子育ては妻任せ、お風呂は一人で入らせるし寝るのも一人で。

 


リリーフランキー父は言う。


子供は、一緒にいた時間が大事だと。

 

 

この映画でも重要なシーン。福山雅治リリーフランキーの二人の会話。

 


斎木「良多さんも俺より若いんだからもっと一緒にいる時間作ったほうがいいよ、子供と」


良多「まあ、いろんな親子があっていいんじゃないですかね」


斎木「お風呂も一緒に入んないんだって?」


良多「うちはなんでも一人で出来るようにって方針なんですよ」


斎木「まあ方針なら仕方ないけど・・・でもさあ、そういうとこ面倒くさがっちゃダメだよ。だって俺この半年で、良多さんが一緒にいた時間よりも長く慶多といるよ」


良多「時間だけじゃないと思いますけどね」


斎木「ふっ(笑)、何言ってんの。時間だよ、子供は、時間!」

 

良多、ムッとして、
良多「僕にしか出来ない仕事があるんですよ」

 

そんな良多にもっとムッとした斎木、
斎木「父親かて、取り換えのきかん仕事やろ!」

 

 


この、子供は時間だよ、という言葉がこの映画の全て、を物語っている気がする。
一緒にいる時間、てのはほんとにかけがえのないものだから。離れていても心は通じあう、ていうほど当てにならないものない。

 

 

子供がたくさんいて大変だよ、と言うリリーフランキーに対して、じゃあ二人共引き取ってもいいか、お金は払う、と言ってしまう福山父。
完全にリリーフランキ一家を下に見ている福山、こんな環境で育てるなら自分が引き取る、ということか。


これには、リリーフランキーも怒るよね。福山の頭をパチっとはたき、本気で言ってるのか?と。

 

「負けたことない奴てのは、ほんとに人の気持ち分からないんだな」

 

 

環境て、人の性格や能力にすごく影響あるんだな、と。


リリーフランキーのところで育った琉晴は、関西弁を話すのびのびとした腕白坊主。ピアノや勉強も嫌いな感じ?


かたや、慶多は、お受験で私立の小学校に通いピアノの発表会にも出る。聞き分けのいいお坊ちゃんタイプ。


これ、ほんとは入れ替わってるんでしょ、ほんとは琉晴が福山さんとこだし、慶多は、リリーフランキのとこの子なんだ。


でも、不思議なもんで顔つきも、裕福かそうでないかまで違う。まあ配役の問題だけど、やはり人間は環境によって変わるのは事実だよ。

血、とかよりもね。

 


結局、お互い、親も子も元の家族が忘れられず、交換は止める、ような流れで物語は終わった。


福山の持っていたカメラに、息子慶多が自分を写していた。息子も自分を愛してくれていた、忘れられなかったんだ、と気付いた福山。


寡黙で親の言うことに素直に従う慶多が健気でね。

最後のシーン、リリーフランキー父に教えてもらった、「スパイダーマンて蜘蛛って知ってた?」と福山父に話す慶多に泣いたわ。

 


観終わってから、後からジワジワとくる映画でした。いまだに、あの二組の家族がこの先どうしたか考えてしまう。

 

 

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