真梨幸子「人生相談。」読書感想
ネタバレあります。
「人生相談。」真梨幸子
はじまりは、たった一通の身近なお悩み相談だった。
父が遺してくれた家に、見知らぬ家族が住み着いた。しかも我が物顔で。「居候の女性が出て行ってくれません」。悩める一六歳から大洋新聞の「よろず相談室」に届いた一通の人生相談。掲載された回答から導かれた予想外の悲劇とは。投書される誰にでも起こりうる身近な事件が、大きな殺意に繋がっていく。
真梨幸子とは
2005年、『孤虫症』で第32回メフィスト賞受賞してデビュー。その後も心の奥底にある人間の感情をえぐり出して暴き、読者は「見たくない」と思っているのに先を読み進めたくなってしまうような作品を次々と発表。『殺人鬼フジコの衝動』は50万部を超えるベストセラーとなり、イヤミス(読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)の旗手として注目されている。
Wikipediaより引用
真梨幸子、"イヤミスの女王"と呼ばれている。この人の小説は、「孤虫症」と「殺人鬼フジコの衝動」を読んだ。どちらも、確かに後味は悪かった。
まず、登場人物が半端なく多い。物語は9通の人生相談からなっており、それぞれ全く違う相談内容で、出てくる人もそれぞれ。
読んでいて、
えっ、この人はさっき出てきたあの人だよね。え、え、そういや、この名前だいぶ前に出てたな、とか。いちいち読み返しながら戻ったり進んだりして。正直、名前と関係性がなかなか覚えられず何度か戻った。
いくつも散りばめられていた人生相談が、次第に繋がっていく過程を見せられていく、という。ちょっと変わったテイストの小説でした。
"実際の事件"と"小説の題材"と"人の記憶"とが入り混じり、過去と現在を行きつ戻りつ、枝分かれした話しもいつしか繋がったり、終結したり。そこがこの小説の面白さかな。
今回は、そんなにイヤミス感は無かったかな。
とにかく先が気になって、どんどん読み進んでしまう感じでした。
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